arukikkuの日記

映画、ゲーム、小説、漫画、アニメ、などの感想。独断と偏見で好き勝手に書いてます。

蒼穹のファフナー THE BEYOND 感想(ネタバレ)

見てきました。めっっっちゃ面白かった。見るか迷っている方がいたら是非劇場でみることをおススメします。ファフナーシリーズは途中から入るのは敷居が高いと噂ですが、今回は新規主人公ということもあり、ファフナー初見の方もとりあえずいっぺん見てみてもいいんじゃないかと。

いままでファフナーを追いかけてきた方は絶対みた方が良いと思います。この作品やっぱ凄い。というか、今までを超えてきた感が凄い。

以下ネタバレ全開の感想です。いいよ!ってかたは駄文にお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

1話「蒼穹作戦」 

竜宮島部隊の成長がすごい。

さっそく攫われた総士を取り戻すため島の全勢力で取り返しの大戦闘からスタート。そこにバーンズひきいる人類群もいてもう情報量がめっちゃ多いんだけど、とにかく総士を取り返す竜宮島勢VS総士を平和な場所(誰かのために誰かが犠牲にならない場所)へ連れていきたいマリス達という構図が結構わかりやすいので、何とか頭で整理して話をおえる感じです。そして何より大気圏突入してパカーっとロケットからでてくるエレメント3人衆+美羽ちゃんが格好いいわ、まじで。そしてそこに加わる島のファフナー部隊のみんなの成長した姿。史上最大級に戦力が充実している(気がする)。みんなかけあいなしでも見事な連携で、各機体の個性も存分に発揮され、まさに機体と自分を信じて守り合いながら戦っているし、戦いながらもやはりフェストゥムにあくまで対話・調和を求めるスタイルを大切にし続けているんですよね。もはやファンが「こんな展開がみたい」と思いつきさえしないような理想の、ファフナーならではの大興奮の展開ですよ(伝われ)。

新キャラはマリス??フロロ?だれ?みたいな感じで、なまじ顔は知ってる人たちだから混乱するんだけど、とにかく総士をさらっている彼らは「誰かが誰かのために犠牲になる生き方」を否定したいらしいですね。彼らは彼らなりに総士のためにというのがあるみたいで、EXODUSまでで「命の使い方」として一応は肯定され、前向きに受け止められていた竜宮島の人々の生き方をしょっぱなから否定する存在が現れた、ということがまず凄く面白い。いままで視聴者にとっても、竜宮島のその点って、前向きにうけとめざるを得ない、肯定しなきゃ彼らの生き様の否定になってしまう、といういわば価値観のアキレス腱みたいなところだったと思っていて、そこについて視聴者がもっていたモヤモヤ感を具体化した存在が今回の対立するコミュニティ、という構図なのかな、と思いました。なので、彼らのことは全然しらないけど理解はできるな、と思える。そことのがっつりした戦闘を1話にするなんて、そんなん面白いに決まってるやないか。

戦い方も新鮮でした。特にセレノア(見た目弓子)のクロッシングで同化する戦法。ありゃ強いわ。ファフナーの肝であるクロッシングを彼らは学習し、そこを利用して攻める手段をあみだしているなんて、フェストゥムってマジで学習能力が凄いですね。フェストゥム職場にいたらめっちゃ仕事できるんじゃね?って思いました。煩悩ですね。

里奈のシーンは大分ヒヤヒヤしました。スイの来い!!の切実さが素晴らしかったですね。レオ・スイ・ミミカは立派に成長していて、頼もしい。三人ともイケメンになりすぎて、きっとカノン先生も感慨深いと思います。あと真矢。今作全体的に少年総士と美和が主役なので、一騎も真矢も大人として、彼らを支える存在として描かれていく感じがしますが、真矢については1話から弓子の見た目した相手に目を同化されるという不憫さ。これ視力なくなっていつぞやの一騎と逆の立場になるのではと焦った視聴者は私だけではないはず。見えてるみたいで良かったです本当に。3話でも総士相手に辛辣ポジをとりますし、今作の真矢は辛い・厳しい役割が多そうです。こんだけ総士が可愛いなかでキツイ態度とってると視聴者にすら嫌われるのではという心配すらしてしまうレベルです。真矢には幸せになってほしいですが、今のところ笑顔ゼロ、幸せになる気配ゼロですね・・・。

 

OP「THE BEYOND」

1話の最後でOP来ましたね!めっっっちゃいい!!!

正直今までのOP映像で一番カッコいいのではないかと。超かっこいい。youtubeで公開してくれないかな。曲の構成もザ・OPという感じの盛り上がりで最高ですね。イントロの島唄感と、いっきに引きで島の全貌を見せる流れ、しびれるわー。

かなりのカット数だったと思うので、まだ未登場のキャラのカットなど、想像を掻き立てられます。いや本当、OPのためだけにもう一回行きたいくらいです。

 

2話「楽園の子」

フェストゥム側の成長が凄い。

マリス(エスペラント)がいるとはいえ、まさかフェストゥムが島ごとパクってくるとは(言い方が雑)。

竜宮島の楽園とはまた別の意味での楽園をこういう形で魅せてくるのは本当脱帽です。しかも今度は一騎たちがそれを壊すという展開。島がやってることは奪われた総士を取り返すことで、道理にかなっているしそれが総士の求めた真実でもあるんですけど、その過程でこういう壊すものもあるよっていう構図が今作はよく見えますね。今までは竜宮島の相手が擁護しようのない核おじさんとか核おばさんとか愉悦系大型フェストゥムとかだったので、とにかく視聴者が全面的に島の側に立てましたが、今作は島の側にたちつつも、その過程で壊れるもの、奪うものもこれまでよりガッツリ描かれていて、そこのケアを大切にしている印象を受けます。奪っている、壊している事実を知った上でどう対応するかを主軸に置くことで、より大人な物語として訴えているような。その上で思考がわかりやすい少年総士視点だから、ストーリーとしては凄く追いやすい。作ってる人、マジで頭良いなー・・・。

マリスは脆さを分かった上で作り物の家族の生活を見守っていますが、フェストゥムからすると、平和の条件ってこれでそろっているように見えるんだなっていうのがね。。それだけでもう示唆に富んでいるというか、ファフナーという物語のゴールの1つがフェストゥムと人との相互理解だとすれば、竜宮島を学習して、そのうえでフェストゥムが少なくとも形式的に家族も平和も作り出したというのは、凄い進歩じゃないかと感動するんですけど、でも、やっぱりこれが平和・家族なのかといえば違和感はあるし、一番前提になるところを隠した関係ってもたないんだなぁと、、、。あと凄く思ったのは、こういう環境で真実を追い求める総士は、やはり「総士」なんだなぁと、違う人間ではあるんですけど、そう思わずにはいられなかったです。

EDも、良かったですね。少年総士が青年総士と別個の存在として運命ではなく彼の人生を選択し自立したときがTHE BEYONDの終わりなのかな、とちょっと思ったりもしました。いや、違うかもですが。

 

3話「運命の器」

当面の目標:怒りをしずめる。

総士、すっごいまっすぐで良いですね。ていうか喜安さんは凄いですね。総士だけど完全に少年の総士だ。喜安さん、凄いですね(語彙力)。

島を疑いまくる総士、でもめっちゃご飯食べて島のみんなから可愛がられる総士、最強兵器をつかって早速島を破壊しはじめる総士、もう総士無双だ。

この話ではキャラみんながどうなったのかもわかって、ファンには嬉しいシーンもいっぱいでした。ミミカが相変わらず明るくて良い。お母さん勢がもはや若すぎて不安になる(容子さん若返り問題)。小楯さんたちの会話も島の日常を感じられて、ファフナーの温かさが分かるシーンがみれて幸せでした。パンフで知ったんですけど、ケンジとさくらの子供は衛一郎なんですね。彼らにとって大切な人たちが、こうして次の世代にもつながれていくという事実に愛情を感じました。真矢の厳しさも、もしかして前の総士ポジを受け継いでいるんですかね。だとするとだいぶ胸が熱くなりますが、SDPの副作用で感情がどんどんなくなってきているという可能性もあるような(完全に同化をおさえることはできないってパンフにもかいてあったし)。

あと、ルヴィ・カーマ!あのとき総士と同時に生まれたコアの子ですよね?大きくなって、、。彼女も彼女で背負うものが大きいですね。本当幼女たちの人生がハードモードすぎる。それ以上にディランがついてることに驚いたけど、彼もパペットとしてでない役割を得られてよかったなぁ。

引きが良すぎて、第4話が楽しみでしょうがないです。一騎ねてるらしいから真矢・美羽たちで抑え込むのかな。

 

ファフナーが積み重ねてきた重みを、新しい形でエンタテイメントとして魅せにきてくれたTHE BEYOND、想像以上の面白さでした。12話じゃ終わらなさそうだから2クールかな?続きも全部先行上映してほしいくらいですが、とにかく放送(?)が楽しみです!スタッフさまキャストさま、素晴らしい作品をありがとう!!