arukikkuの日記

映画、ゲーム、小説、漫画、アニメ、などの感想。独断と偏見で好き勝手に書いてます。

【気分別】個人的に「見てよかった!」と思うオススメの映画たち

stayhomeということで、家で時間があるしどうせなら映画でも見るか、とか、この苦しい時期に映画に寄り添ってもらいたい、という方用に、役立つかわかりませんがオススメ映画をまとめてみました。

経験上、映画の良し悪しは見るときの気分や状況に非常に影響されると思っているので、こういう気分のときはこれがいいんじゃない?というのを独断と偏見で並べております。合わなかったらすみません。作品の楽しみを損なうようなネタバレは避けつつ、作品のおすすめポイントや雰囲気などをまとめています。ちょっとでも気になった作品があれば、作品HPやyoutubeとかで予告編だけでも見てみてください。

それではどうぞ~

 

【前向きになりたいとき】

・きっと、うまくいく

 インド屈指のエリート理系大学ICEを舞台に、型破りな自由人のランチョー、機械よりも動物が大好きなファラン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの3人が引き起こす騒動。三人の友情と、どんなときも励ましあい、前に進んでいく姿、その底抜けな前向きさに胸が熱くなる。こういうご時世だからこそ、多くの人を勇気づけて救ってくれる作品だと思う。

最強のふたり

 故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。学歴とか、見た目とか、地位とか、そんなのはおまけでしかなくて、人間としてどうかでお互いを好きになったり、一緒に働こうと思ったり、人生を過ごそうと思ったりする、それが本当の人間らしい関係だよね。

ショーシャンクの空に

 人生賛歌の名作。どこにいたって、人は人情と希望で生きていけるものなんだと感じさせてくれる。アンディーのような教養のある大人になりたい。

・its a wonderful life 

 主人公ジョーンズは8000ドルという大金を失い死を考える。そこに天使があらわれ、彼がいない世界をジョーンズにみせて、、、というお話。自分の価値を見つめなおすきっかけになるかもしれない。

東京ゴッドファーザーズ

 今敏監督によるアニメーション作品。ホームレスとオカマが築く、あったかい家族の話。

 

【頭を空にして笑いたいとき】

・ジョニー・イングリッシュ~気休めの報酬~

  やたら本格的なアクションシーンでさえなぜか全部笑える。

・ホットファズ

 そのへんの警察二人が、なんか変な村に突入して、あることに気づいていく。本人たち物凄く真面目にやってるんだけど、絵面でつい笑ってしまう。まじで、面白い。

テルマエロマエ

 おそらくスタッフの並々ならぬ努力により精巧に再現されたローマ、見事にほとんどみんな日本人だということを忘れさせてくれる濃いキャスティング、それらをローマ帝国史でもその壮大な権力争い・領地争いでもなく、「お風呂」に費やす精神、すばらしい。お風呂いっこでも時代をめっちゃ飛び越えるとこんなにロマンがある。

 

【子役の活躍がみたいとき】

・SUPER8

 SFのわくわくを詰めた少年たちの物語。面白くて、ちょっと切ない。

・ボビーフィッシャーを探して

 天才チェス少年の物語。周りの大人たちも魅力的なヒューマンドラマ。

 

 

【凝っていておしゃれで面白いものがみたいとき】

・グランド・ブタペストホテル

 文明のあらがい的なものをほんの少しほのめかしつつ、ひとつの味わい深く愛されたホテルの一生を描いた物語。

・ミックマック

 主人公バジルが兵器製造会社あいてに変な仲間とともに幸福ないたずら(ミックマック)をしかけまくる!フランスの映画でとにかく映像が凝っていておしゃれでそれを見ているだけでも楽しい。個性あふれる、楽しさと温かさを詰め込んだ作品。

 

【ミュージカルがみたい!!とき】

レミゼラブル

 セリフのように歌う、という自然さを追求したレミゼの映画版。これぞ総合芸術。革命に命を懸ける若者たちの合唱に胸打たれる。

・マンマミーア!

 ABBAの楽曲をきいたら全人類おどらなきゃいけない。

 

【なんでもいいから精神に打撃をうけたいとき】

・セッション

 夢と、プライドのためにすべてを懸けて、懸けつくす青年と、それを全力で利用し、折りにくる鬼教師の物語。ジャズが題材だけど、ある意味人間性をとっぱらったスポコン作品。何かしらくすぶっている人はぜひ見るべき。

・パラサイト~半地下の家族~

 ポンジュノ監督最新作。格差という社会派的要素を、非常に自然にストーリーになじませ、あれよあれよと展開して気づいたらあらゆるものが崩壊している、という衝撃。社会問題を映画に取り入れることは、義務ではなく知的面白さゆえの行為であり、それをどうすれば極上のエンタテイメントにできるか、の答えを出してくれた作品。

 ・母なる証明

 殺人犯に仕立てられた息子の無実を晴らすために奔走する母親を描く一作。人間が一線を越えるのはどういうときか、真実よりも重要なものが何か、を考える契機となると思う。

 

【人種差別について考えたいとき】

第9地区

 1980年代に、突如UFOが飛来し、政府は異星人「俗称エビ」を難民として受け入れるが、やがて彼らの特別居住区「第9地区」はスラムと化して、、、という内容。この映画を、南アフリカ出身の監督がとっているということの意味が重い。

・ホテルルワンダ

 ルワンダ虐殺を描いた作品。フツ族ツチ族で、信じられないような虐殺を繰り広げる。正直日本人の自分から見ると、見分けをつけるのも難しいこの違いで、命の扱いが変わってくる。衝撃作。

 

【女優たちの突き抜けたお芝居がみたいとき】

ブラックスワン

 ナタリーポートマンのナタリーポートマンによるナタリーポートマンのための映画。周りの登場人物たちも皆凄く魅力的なのに、それが主人公のニナを食う瞬間が一瞬たりともない。終盤もはや何か乗りうつっているとしか思えない。彼女の気迫、甘えのない信念、人間性すら懸けている舞台から目が離せない。

・キャロル

 女性たちの、愛の物語。凄く映画らしい映画で、惹かれあう二人のしぐさの一つ一つから時代を反映した小物たち、旅の景色まですべてがとにかく味わい深く美しい。ルーニーマーラー、ケイトブランシェットのダブル主演作。

・マーガレットサッチャー~鉄の女の涙~

 鉄の女の人生を、晩年まで描く作品。名優メリルストリープが、サッチャーとしてそこにいるという格風と、孤独。女性へのエール的な作品ではなく、人生の哀しみと、理念と愛するものどちらを選ぶべきかという普遍的テーマを描いている。

・八日目の蝉

 井上真央の諦観と戸惑い、永作博美の執念と愛情、そして小池栄子の生きづらさと優しさ、この3つが非常に魅力的。中島美嘉の主題も作品をストレートに表現していて良い。

 

【男優の濃いお芝居が見たいとき】

・偽りなきもの

 マッツミケルセン主演。デンマークの小村を舞台に、集団心理を描く作品。なるべく予備知識なしで見たほうがいい。マッツの深い瞳と真摯な姿勢に胸を打たれるとともに、人間の怖さを感じる一作。無駄なシーンがなく、助演のキャストも皆非常に巧みで、完成度が非常に高いのも魅力。

・ダラスバイヤーズクラブ

 1985年、テキサス生まれの電気技師ロンはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、ロンは無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが、、、。マシューマコノヒーの抗いと、ジャレッド・レトの美しさに引き込まれる。ジャレッド・レトアカデミー賞受賞スピーチがとても印象的だったのでぜひググってみてほしい。

・13人の刺客

 暴君を暗殺すべく13人の刺客が、200人を相手にひたすらたたかう!立場は違えど信念を貫き通す男たちの魅力的なことこの上ない。そしてなんといっても後半1時間弱におよぶ殺陣シーンの見ごたえが凄い。泥臭くて、汗臭くて、生生しくて、本物を感じる。稲垣吾郎演じるキャラの嫌な奴っぷりもすごい。

・笑いの大学

 個人的に三谷幸喜監督作品で一番好き。第二次世界大戦開戦間近の東京を舞台に、検閲官と喜劇舞台作家の笑いを巡る攻防を描いたコメディ。笑えるやり取りが中心だけど、そこに懸けるものは熱く重い。役所広司稲垣吾郎が魅力的。

 

【頭をフル回転させたいとき】

インセプション

 夢の中に入り込む、というありがちな展開を最新映像技術を駆使してガチで作りこんだ一作。いま何層目なのか途中で混乱するくらい頭をフル回転しないとついていけないが、現実と夢との境目があいまいになる特有の感覚を味わえる一作。

 

【争いについて考えたいとき】

猿の惑星 ライジン

 争いがなぜなくならないのか、を突き付けてくる作品。主人公シーザーが優れたリーダーであるがゆえに、争いに向かっていく過程のすべてに虚しさと苦しさを感じる一作。前作のジェネシスから見ると、よりシーザーへの理解が深まる。

・ゼロダークサーティ

 ビンラディン殺害に至る現場の経緯を描いた作品。キャサリンビグロー監督による映画はハートロッカーしかり、とにかく臨場感が凄い。その場にいるような息の詰まる感覚と、人間が人間を追い詰めるその容赦のなさ(実際よりかなり描写は軽くなっているらしいけど)。マクロでみて色々言われることよりも、現場にこそ真実があるだろうし、戦場のそれを知るために臨場感を垣間見るのに意味深い映画ではないかと。

 

 

【理不尽について考えたいとき】

チェンジリング

 アメリカの警察と司法の闇が鬼気迫って描かれるアンジー主演作。実話、ということに衝撃をうける。イーストウッド監督の切り取り方がどこまでもドライだからこそ、辛うじて作品としてのテイをなしているのではというくらいに、理不尽。

・ブラッドダイヤモンド

 ダイヤがぜんっぜんキレイに見えなくなる作品。ブラッドピット主演。

ヒトラーの贋札

 人間性とか人権が尊重されない時代に生き残るために何が必要だったのか、を考えさせられる作品。始終とにかく暗く苦しい。

クロッシング

 北朝鮮脱北者の父と、その帰りを待つ母子の話。100名ほどの脱北者の証言をもとに、北朝鮮の収容所や脱北者、貧困を描いている。BGMがちょっと微妙だが、北朝鮮のことを描いた映画ってなかなかないので、近くの国についてちょっとでも知る契機になるのでは。

 

【人間の良心を信じたくなる気分のとき】

善き人のためのソナタ

 1980年代、表現の自由が弾圧されていた時代に、国家保安課の監視官である主人公がある劇作家を監視するよう命じられて、、、。役割を果たすというのは、上司から与えられる任務を果たすことなのか、それともすべきと思ったことを成すことなのか。それが一致するのがもちろん理想だけど、そうでないことも、わからないこともたくさんある。なら、後悔しない方を選びたい。そんな気持ちにさせてくれる傑作。

風立ちぬ

 飛行機を作りたくて、まっすぐ頑張っていたら、戦闘機をつくることとなった。もとは善意でも、その結果はそうでない、ということは往々にしてあるし、人間がその流れに逆らうことの難しさは、長く生きれば生きるほど感じる場面があると思う。それでも生きねば、なんだよなー、と。

 

【家族との関係を考えたいとき】

・運び屋

 クリントイーストウッド監督作品。長年疎遠になっていた娘との確執をしこりのように抱える主人公は、自身の生活のためある運び屋を始めるが、次第にそのブツと自分の置かれている状況のヤバさに気づいていく、、、。大監督であり、かつドライな映画作りを続けてきたイーストウッドが、この年齢にして最近ずっと家族との関係の大切さ、それを軽んじないことを重みを描き続けてきてくれていることは、多くの人にきっと希望を与えてくれていると思う。「人生の特等席」もおすすめ。

・トイレット

 もたいまさこ演じるばっちゃんと、3人の子供たちの奮闘記。ばっちゃんの穏やかでちょっと変わった佇まいと、彼女に見守られながら自分自身と向き合っていく三兄弟。笑えて泣ける、家族のお話。

・カラフル

 天上界と下界のはざ間でさまよっていた“ぼく”の魂は、人生に再挑戦するチャンスを与えられ、自殺したばかりの内気な少年・小林真の体に入り込む。登場人物たちへの原恵一監督の優しく温かいまなざしを感じる、家族を想う映画。

愛、アムール

 夫婦の、究極の愛を、老々介護を通じて考える一作。重いので、精神にゆとりがあるときに見たほうがいい。谷川俊太郎さんがこの映画を1文で表していてすごいなと思った。「我々は事実をみたのだ。涙をながす必要はない」。